ポピー・ポンフリー
ポピー・ポンフリー (Poppy Pomfrey) は、ホグワーツ魔法魔術学校の校医です。医務室を預かり、校内で起きる怪我や病気のほとんどを治しました。腕は確かですが、面会と安静については魔法大臣にも校長にも譲りません。
名前: ポピー・ポンフリー(Poppy Pomfrey)
別名: マダム・ポンフリー
性別: 女性
種: 人間・魔法族
勤務先: ホグワーツ魔法魔術学校
職業: 校医
来歴
リーマス・ルーピンの在学中(1971年‐1978年)
勤務が確認できるいちばん古い時期は、リーマス・ルーピンが在学していた1971年から1978年です。狼人間であるルーピンは満月の夜ごとに変身しなければならず、マダム・ポンフリーはそのたびに彼を暴れ柳まで送り届けていました。ある晩その道行きをセブルス・スネイプに目撃されたことが、スネイプがルーピンの正体を知るきっかけになります[1]。
……とにかく、セブルスはある晩、私が校医のポンフリー先生と一緒に校庭を歩いているのを見つけた。ポンフリー先生は私の変身のために『暴れ柳』のほうに引率していくところだった。
ハリー・ポッターの在学中(1991年‐1997年)
1年目、飛行訓練で手首を折ったネビル・ロングボトムをたちまち治し[2]、ドラゴンのノーバートに噛まれたロン・ウィーズリーの手を手当てします。ロンは「犬に噛まれた」と偽りましたが、信じてはいませんでした[3]。学年末、賢者の石をめぐる対決のあと3日間眠り続けたハリー・ポッターを預かり、見舞いに来た友人たちを5分で追い出そうとします[4]。
校医のマダム・ポンフリーはいい人だったが、とても厳しかった。
2年目は秘密の部屋の事件の年でした。ギルデロイ・ロックハートがハリーの腕の骨を消してしまい、骨生え薬で33本の骨を一晩かけて生やし直します[5]。石化した生徒たちを預かると、襲撃犯が戻ってくる可能性を理由に医務室を面会謝絶にしました[6]。マンドレイクの生育を見守り、学年末にはマンドレイク回復薬を犠牲者たちに飲ませて石化を解きます[7][8]。
3年目、吸魂鬼がホグワーツの警備に配置されると、汽車の中で倒れたハリーを診ながら、吸魂鬼を学校の周りに置いたことへの不満を口にします[9]。学年末、シリウス・ブラックをめぐる一夜のあとには、魔法大臣コーネリウス・ファッジとスネイプ、そしてアルバス・ダンブルドアに医務室から出るよう要求しています[10]。
4年目の三大魔法学校対抗試合では、代表選手の手当てが仕事に加わりました。第一の課題でハリーの肩の傷を治し[11]、第二の課題では湖から上がった選手と人質を毛布でくるんで元気爆発薬を飲ませます[12]。年齢線に弾かれて白い髭が生えたフレッドとジョージ[13]や、呪いで前歯が伸びてしまったハーマイオニー・グレンジャー[14]も、この年の患者です。学年末には、トランクに監禁されていた本物のマッド‐アイ・ムーディを医務室に収容し、ハリーには夢を見ずに眠れる薬を飲ませました[15]。
5年目、ドローレス・アンブリッジのもとで学校が緊張していくなか、O・W・L試験を控えて泣き出したハンナ・アボットに鎮静水薬を出し[16]、錯乱したままのスリザリン生モンタギューに薬を飲ませています[17]。学年末の神秘部での戦いでは、ジニー・ウィーズリーの踵やネビルの鼻をたちまち治す一方、ロンとハーマイオニーには長い治療が必要でした[18]。
6年目は、呪いのかかった品と毒が生徒を襲った年でした。ネックレスに触れたケイティ・ベルの応急処置はスネイプが担当し[19]、毒入りの蜂蜜酒を飲んだロンには悲嘆草のエキスを処方して1週間ほど入院させます[20]。ダンブルドアが死んだ夜の戦いのあとは、人狼フェンリール・グレイバックに襲われたビル・ウィーズリーの傷の手当てにあたりました[21][22]。
ホグワーツの戦い(1998年)
ヴォルデモート側の襲撃が迫った夜、マクゴナガルはマダム・ポンフリーと管理人のフィルチに、成人していない生徒の避難の監督を割り当てました[23]。
「……避難を監督するのはフィルチさんとマダム・ポンフリーです。監督生は、私が合図したら、それぞれの寮をまとめて指揮を執り、秩序を保って避難地点まで移動してください」
戦いが終わったあとは、大広間の一段高い壇の上で、何人かの助手とともに負傷者の手当てにあたっています。ケンタウルスのフィレンツェもその中にいました[24]。
戦後
2014年、ポッターモアに掲載された日刊予言者新聞のゴシップ記事は、ハンナ・アボットがホグワーツの校医の職に応募したという噂を報じました[25]。記事はマダム・ポンフリー本人には触れておらず、応募が採用に至ったかどうかも書かれていません。
うわさでは、ハンナは癒者としての勉強をしなおした上で、ホグワーツにおける校医の職に応募したのだという。
ハリーの息子アルバス・ポッターが在学した時代にも、マダム・ポンフリーはホグワーツの校医です。逆転時計を使った旅の影響で、20年前に折れたかのようにねじれてくっついていたアルバスの腕を、24時間かけて継ぎなおしました[26]。
ハリー 24時間眠っています。マダム・ポンフリーが腕を継ぎなおすためにですが。とても不思議な折れ方だとか……まるで20年前に折れて、「真逆の」方向に継がれているようだと。でも大丈夫だとおっしゃっています。
魔法の能力
治せるもの
切り傷や骨折は「あっという間に」治ります[27]。ハリーがクィディッチで頭蓋骨を割ったときも、その場で治しました[20:1]。骨を生やし直すことも、伸びた前歯を縮めることも、呪いで落ちた鼻を付け直すこともできます[5:1][14:1][28]。癒しの呪文にかけては、闇祓いのニンファドーラ・トンクスよりも信頼される存在です[29]。
「マダム・ポンフリーなら何でも治せる。去年なんか、僕の片腕の骨を再生させたんだよ。マルフォイは汚い手を使って、怪我を最大限に利用しようとしてるんだ」
季節や行事に応じた薬も欠かしません。秋に風邪が流行れば元気爆発薬を配り[30]、O・W・L試験の時期には鎮静水薬を出します[16:1]。薬草学の授業で集められた腫れ草の膿も医務室に回されます。頑固なニキビによく効くため、生徒がニキビを取ろうとして無茶をしないで済むからです[28:1]。
校医のマダム・ポンフリーは、先生にも生徒にも急に風邪が流行しだして大忙しだった。校医特製の「元気爆発薬」はすぐに効いた。ただし、それを飲むと数時間は耳から煙を出し続けることになった。
治せないもの
呪いや闇の魔術がからんだ傷は、マダム・ポンフリーの手に負えないことがあります。呪われたネックレスに触れたケイティ・ベルの応急処置をスネイプが引き受けたのも、そのためでした[19:1]。
「スネイプ先生は、マダム・ポンフリーよりずっとよく闇の魔術を心得ておられるのじゃよ、ハリー。いずれにせよ、聖マンゴのスタッフが、一時間ごとにわしに報告を寄こしておる。ケイティはやがて完全に回復するじゃろうと、わしは希望を持っておる」
グレイバックがビル・ウィーズリーにつけた傷にも、打つ手がありませんでした[21:1]。ハーマイオニーがダンブルドア軍団の名簿にかけた呪いによるマリエッタ・エッジコムの吹出物も、まったく改善できていません[31]。
「この傷にはどんな呪文も効きません」マダム・ポンフリーが言った。
「知っている呪文は全部試してみましたが、狼人間の噛み傷には治療法がありません」
死喰い人の脳に絡まれたロンの腕にも、深い傷痕が残りました[18:1]。
マダム・ポンフリーによれば、想念というものは、他の何よりも深い傷を残す場合があるとのことだ。しかし、「ドクター・ウッカリーの物忘れ軟膏」をたっぷり塗るようになってから、少しよくなってきたようだった。
性格・人物像
患者が最優先
面会人数は一度に6人まで[20:2]、面会時間も安静も、決めるのはマダム・ポンフリーです。相手が誰であっても変わりません。シリウス・ブラックが逃げた夜には、魔法大臣とスネイプを医務室から追い出し、続いて入ってきたダンブルドアにまで抗議しました[10:1]。
「二人とも出ていってください。ポッターはわたしの患者です。患者を興奮させてはなりません!」
「病室をいったい何だと思っているんですか? 校長先生、失礼ですが、どうか――」
退院の時期を決めるのも本人です。クィディッチの試合で頭を割ったハリーが出ていこうとしたときは、杖を構えて押しとどめました[20:3]。
「私が退院を許可するまで、ポッター、あなたはここに泊まるのです。さもないと校長先生を呼びますよ」
いっぽうで、患者の事情を詮索することはありません。ポリジュース薬の失敗で猫の姿になりかけたハーマイオニーを医務室へ連れて行こうと言い出したとき、ハリーはその点を理由に挙げています[32]。
「医務室に連れていってあげるよ。マダム・ポンフリーはうるさく追及しない人だし……」
そのハーマイオニーは数週間を医務室で過ごしました。姿が見えないので襲われたのだと噂が立ち、生徒たちが一目見ようと医務室の前を行き来しはじめると、マダム・ポンフリーは、毛むくじゃらの顔が人目に触れたら恥ずかしいだろうと、ベッドの周りにカーテンを引いています[7:1]。
学校に危険を持ち込むことへの批判
吸魂鬼の警備配置にも、三大魔法学校対抗試合のドラゴンにも、マダム・ポンフリーははっきり批判的です[9:1][11:1]。
「倒れるのはこの子だけではないでしょうよ。そう、この子はすっかり冷えきってます。恐ろしい連中ですよ、あいつらは。もともと繊細な者に連中がどんな影響を及ぼすことか――」
「去年は吸魂鬼、今年はドラゴン、次は何を学校に持ち込むことやら? あなたは運がよかったわ……傷は浅いほうです……でも、治す前に消毒が必要だわ……」
同じ吸魂鬼への対処でも、生徒にチョコレートを与えたリーマス・ルーピンのやり方は歓迎しています[9:2]。
「そう。本当に?」マダム・ポンフリーは満足げだった。「それじゃ、『闇の魔術に対する防衛術』の先生がやっと見つかったということね。治療法を知っている先生が」
同僚として
ミネルバ・マクゴナガルが魔法省の役人たちに「失神光線」を四本まともに撃ち込まれ、聖マンゴに移されたとき、マダム・ポンフリーは辞職を口にするほど憤りました[17:1]。
「驚くのも無理はありません、ポッター」マダム・ポンフリーが怒りを込めて、まったくそのとおりという顔をした。「昼日中に一対一で対決したら、あんな連中なんぞにミネルバ・マクゴナガルが『失神』させられるものですか! 卑怯者、そうです……見下げ果てた卑劣な行為です……わたしがいなければ生徒はどうなるかと心配でなかったら、わたしだって抗議の辞任をするところです」
ダンブルドアが殺されたと聞いたときには泣き崩れています。それでも、よろめいたマクゴナガルのために椅子を出したのはマダム・ポンフリーでした[21:2]。
ただし、不死鳥の騎士団の内情までは共有されていません。ハリーの4年目の学年末、ダンブルドアはマダム・ポンフリーに用事を頼んで医務室から出し、その足音が遠ざかるのを確かめてから、大きな黒い犬がシリウス・ブラックであることを明かしています[15:1]。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』
- 第1章「生き残った男の子」
- 第9章「真夜中の決闘」
- 第13章「ニコラス・フラメル」
- 第14章「ノルウェー・ドラゴンのノーバート」
- 第16章「仕掛けられた罠」
- 第17章「二つの顔をもつ男」
- 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
- 第8章「絶命日パーティ」
- 第10章「狂ったブラッジャー」
- 第11章「決闘クラブ」
- 第12章「ポリジュース薬」
- 第13章「重大秘密の日記」
- 第14章「コーネリウス・ファッジ」
- 第15章「アラゴグ」
- 第16章「秘密の部屋」
- 第18章「ドビーのごほうび」
- 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
- 第5章「吸魂鬼」
- 第6章「鉤爪と茶の葉」
- 第9章「恐怖の敗北」
- 第10章「忍びの地図」
- 第12章「守護霊」
- 第14章「スネイプの恨み」
- 第18章「ムーニー、ワームテール、パッドフット、プロングズ」
- 第19章「ヴォルデモート卿の召使い」
- 第21章「ハーマイオニーの秘密」
- 第22章「再びふくろう便」
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
- 第10章「魔法省スキャンダル」
- 第13章「マッド‐アイ・ムーディ」
- 第16章「炎のゴブレット」
- 第20章「第一の課題」
- 第23章「クリスマス・ダンスパーティ」
- 第26章「第二の課題」
- 第27章「パッドフット帰る」
- 第28章「クラウチ氏の狂気」
- 第35章「真実薬」
- 第36章「決別」
- 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 第19章「ライオンと蛇」
- 第20章「ハグリッドの物語」
- 第27章「ケンタウルスと密告者」
- 第28章「スネイプの最悪の記憶」
- 第30章「グロウプ」
- 第31章「ふ・く・ろ・う」
- 第32章「炎の中から」
- 第37章「失われた予言」
- 第38章「二度目の戦いへ」
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
- 第8章「勝ち誇るスネイプ」
- 第12章「シルバーとオパール」
- 第13章「リドルの謎」
- 第18章「たまげた誕生日」
- 第19章「しもべ妖精の尾行」
- 第20章「ヴォルデモート卿の頼み」
- 第27章「稲妻に撃たれた塔」
- 第29章「不死鳥の嘆き」
- 第30章「白い墓」
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- 第31章「ホグワーツの戦い」
- 第33章「プリンスの物語」
- 『ハリー・ポッターと呪いの子』
- 第2幕第8場「ホグワーツ 医務室」
- ポッターモア 日刊予言者新聞「クィディッチ・ワールドカップ決勝戦にダンブルドア軍団再集結」(2014年7月8日)
脚注
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第18章「ムーニー、ワームテール、パッドフット、プロングズ」 ↩︎
『ハリー・ポッターと賢者の石』第9章「真夜中の決闘」 ↩︎
『ハリー・ポッターと賢者の石』第14章「ノルウェー・ドラゴンのノーバート」 ↩︎
『ハリー・ポッターと賢者の石』第17章「二つの顔をもつ男」 ↩︎
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第15章「アラゴグ」 ↩︎
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第18章「ドビーのごほうび」 ↩︎
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第26章「第二の課題」 ↩︎
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』第16章「炎のゴブレット」 ↩︎
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第30章「白い墓」 ↩︎
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第31章「ホグワーツの戦い」 ↩︎
『ハリー・ポッターと死の秘宝』第33章「プリンスの物語」 ↩︎
ポッターモア 日刊予言者新聞「クィディッチ・ワールドカップ決勝戦にダンブルドア軍団再集結」(2014年7月8日、ゴシップ担当記者リータ・スキーター) ↩︎
『ハリー・ポッターと呪いの子』第2幕第8場「ホグワーツ 医務室」 ↩︎
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』第6章「鉤爪と茶の葉」 ↩︎
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第8章「勝ち誇るスネイプ」 ↩︎
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第8章「絶命日パーティ」 ↩︎
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第28章「スネイプの最悪の記憶」 ↩︎
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第12章「ポリジュース薬」 ↩︎