フラッフィー

フラッフィー (Fluffy) は、ルビウス・ハグリッドが飼っている三頭犬です。ハグリッドがパブで出会ったギリシャ人の男から買い取り、アルバス・ダンブルドアに貸し出しました[1]ハリー・ポッターたちが一年生だった年、ホグワーツ四階の「禁じられた廊下」の奥で仕掛け扉の上に立ち、その下に隠された賢者の石を守っていました[2][3]

人物情報

名前: フラッフィー(Fluffy)
性別:
種: 三頭犬
飼い主: ルビウス・ハグリッド
特徴: 床から天井までの空間を埋めるほどの巨体。頭が三つあり、音楽を聞かせると眠り込む

来歴

禁じられた廊下での遭遇

真夜中の決闘に誘い出されたハリー・ポッターは、ロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーネビル・ロングボトムとともにトロフィー室へ向かいますが、これはドラコ・マルフォイの仕掛けた罠でした。管理人のフィルチから逃げるうちに四人が飛び込んだ扉の先は、部屋ではなく、立ち入りを禁じられていた四階の廊下でした[2:1]

そこで四人は、床から天井までを埋め尽くす巨大な犬と対面します。逃げ帰った談話室で、ハーマイオニーだけが犬の足下を見ていました[2:2]

『ハリー・ポッターと賢者の石』第9章「真夜中の決闘」

「ちがう。床じゃない。仕掛け扉の上に立ってたのよ。何かを守ってるのに違いないわ」

名前と出所

ハリーは、ハロウィーンの日にセブルス・スネイプが三頭犬の裏をかこうとして噛まれたのだと考えており、クィディッチの試合のあとハグリッドの小屋でそのことを話しました。ハグリッドはティーポットを落とします[1:1]

『ハリー・ポッターと賢者の石』第11章「クィディッチ」

「なんでフラッフィーを知ってるんだ?」

「フラッフィー?」

「そう、あいつの名前だ――去年パブで会ったギリシャ人のやつから買ったんだ――俺がダンブルドアに貸した。守るため……」

ハグリッドは何を守らせているのかを言いかけたところで口をつぐみ、重大秘密だと言って話を打ち切りました[1:2]。守っている物が賢者の石であることは、このあと三人が突き止めていきます[4]

賢者の石を守る仕掛け

ハリーは、スネイプがクィレルにフラッフィーを出し抜く方法を尋ねているのを盗み聞きし、ロンとハーマイオニーに伝えました[4:1]。以後、三人は四階の廊下を通るたびに扉に耳を当て、フラッフィーの唸り声が聞こえるかどうかを確かめるようになります。唸り声がすることが、石がまだ無事だという証拠でもありました[3:1]

フラッフィー以外に石を守っているものは何かとハリーに問われたハグリッドは、いったんは断りながらも、ハーマイオニーにおだてられて口を開きました[3:2]

『ハリー・ポッターと賢者の石』第14章「ノルウェー・ドラゴンのノーバート」

「まあ、それくらいなら言ってもかまわんじゃろう……さてと……俺からフラッフィーを借りて……何人かの先生が魔法の罠をかけて……スプラウト先生……フリットウィック先生……マクゴナガル先生……」

ハグリッドは続けてクィレル先生、ダンブルドア先生、スネイプ先生の名を挙げています[3:3]

スネイプがクィレルから闇の魔術に対抗する呪文の破り方を聞き出したらしいと知ったときも、ハーマイオニーは「でもまだフラッフィーがいるわ」と言っています[5]

仕掛け扉の夜

学年末、ハリーはノーバートの卵をハグリッドに渡した人物のことを思い出し、その夜ハグリッドが何を話したのかを確かめに行きます。ハグリッドは相手に「ホッグズ・ヘッド」で酒をおごられ、飼っている動物の話をしたと語りました[6]

『ハリー・ポッターと賢者の石』第16章「仕掛けられた罠」

「そりゃそうだ……三頭犬なんて、たとえホグワーツだって、そんなに何匹もいねえだろう? だから俺は言ってやったよ。フラッフィーなんか、なだめ方さえ知ってれば、お茶の子さいさいだって。ちょいと音楽を聞かせればすぐねんねしちまうって……」

その晩、三人はハグリッドがクリスマスにくれた横笛を持って四階の廊下へ向かいました[6:1]

『ハリー・ポッターと賢者の石』第16章「仕掛けられた罠」

ハリーはハグリッドにもらった横笛を唇に当てて吹きはじめた。メロディーとも言えないものだったが、最初の音を聞いた瞬間から、三頭犬はトロンとしはじめた。ハリーは息も継がずに吹いた。だんだんと犬の唸り声が消え、よろよろっとしたかと思うと、膝をついて座り込み、ゴロンと床に横たわった。ぐっすりと眠り込んでいる。

眠らせたまま、三人はフラッフィーの足下の仕掛け扉を引き開け、地下へ下りていきました[6:2]

事件のあと、医務室のハリーを見舞ったハグリッドは、泣きながら自分のしくじりを悔いています[7]

『ハリー・ポッターと賢者の石』第17章「二つの顔をもつ男」

「悪いやつらに、フラッフィーを出し抜く方法をしゃべくってしもうた。俺がヤツに話したんだ! ヤツはこれだけは知らんかったのに、しゃべくってしもうた! おまえさんは死ぬとこだった! たかがドラゴンの卵のせいで。もう酒はやらん! 俺なんか、つまみ出されて、マグルとして生きろと言われてもしょうがない!」

ハリーは、相手がヴォルデモートである以上ハグリッドが黙っていても同じことだったと慰めました[7:1]。フードをかぶっていたというその人物が誰だったのかは、本文では語られていません[6:3]

翌年の回想

一年後、ハグリッドが大きくて怪物のような生き物を好むことを三人が振り返る場面で、フラッフィーの名が挙がります[8]

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第14章「コーネリウス・ファッジ」

去年、三人が一年生だった時、ハグリッドは自分の狭い丸太小屋で、ドラゴンを育てようとしたし、「ふわふわのフラッフィー」と名づけていたあの三頭犬のことは、そう簡単に忘れられるものではない。

外見

初めて姿を現した場面の描写は次のとおりです[2:3]

『ハリー・ポッターと賢者の石』第9章「真夜中の決闘」

四人が真正面に見たのは、怪獣のような犬の目だった――床から天井までの空間全部がその犬で埋まっている。頭が三つ。血走った三組のギョロ目。三つの鼻がそれぞれの方向にヒクヒク、ピクピクしている。三つの口から黄色い牙をむき出し、その間からヌメヌメとした縄のように、ダラリとよだれが垂れ下がっていた。

能力・性質

音楽を聞かせると眠り込む性質があり、これが唯一のなだめ方としてハグリッドの口から語られています[6:4]。眠りは音が続いているあいだだけ保たれ、途切れるとすぐに目を覚まします[6:5]

『ハリー・ポッターと賢者の石』第16章「仕掛けられた罠」

ハリーは横笛をハーマイオニーに渡した。ほんのわずか音が途絶えただけで、犬はグルルと唸り、ピクピク動いた。ハーマイオニーが吹きはじめると、またすぐ深い眠りに落ちていった。

なだめ方を知る者は限られていました。ハグリッドはハリーに問われて、自分とダンブルドア以外は誰も知らないと答えています[3:4]

登場・言及箇所

脚注


  1. 『ハリー・ポッターと賢者の石』第11章「クィディッチ」 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  2. 『ハリー・ポッターと賢者の石』第9章「真夜中の決闘」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  3. 『ハリー・ポッターと賢者の石』第14章「ノルウェー・ドラゴンのノーバート」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  4. 『ハリー・ポッターと賢者の石』第13章「ニコラス・フラメル」 ↩︎ ↩︎

  5. 『ハリー・ポッターと賢者の石』第15章「禁じられた森」 ↩︎

  6. 『ハリー・ポッターと賢者の石』第16章「仕掛けられた罠」 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  7. 『ハリー・ポッターと賢者の石』第17章「二つの顔をもつ男」 ↩︎ ↩︎

  8. 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』第14章「コーネリウス・ファッジ」 ↩︎