ヘレナ・レイブンクロー (Helena Ravenclaw) は、ロウェナ・レイブンクローの娘です。生前に母の髪飾りを盗んで出奔し、のちに血みどろ男爵に殺されました。死後はレイブンクロー寮のゴーストとなり、もっとも無口な寮ゴーストとして「灰色のレディ(Grey Lady)」の名で知られています[1]。
名前: ヘレナ・レイブンクロー(Helena Ravenclaw)
別名: 灰色のレディ(Grey Lady)
性別: 女性
種: 人間・魔法族(死後はゴースト)
出身校: ホグワーツ魔法魔術学校(レイブンクロー寮)
来歴
ヘレナの生涯は、原作の他の箇所ではほとんど語られません。その経緯は、1998年のホグワーツの戦いの最中、ハリーが「失われた髪飾り」の在り処を尋ねたときに、ヘレナ自身が――「生ありしとき」の自分の名を「ヘレナ・レイブンクロー」と名乗ったうえで――ハリーに打ち明けた告白として原作に描かれています[2:1]。
髪飾りを盗んだ出奔
ヘレナは、母よりも賢く、母よりも重要な人物になりたいと望み、母の持つレイブンクローの髪飾りを盗んで持ち逃げしました。母はこの喪失を決して認めず、まだ自分が持っているふりを続け、髪飾りがなくなったことも娘の裏切りも、ホグワーツの他の創設者たちにさえ秘密にしていたといいます[2:2]。この経緯はロウェナ・レイブンクローの記事も参照してください。
母の死と血みどろ男爵
「やがて母は病気になりました――重い病でした。私の裏切り行為にもかかわらず、母はどうしてももう一度だけ私に会いたいと、ある男に私を探させました。かつて私は、その男の申し出を撥ねつけたのですが、ずっと私に恋心を抱いていた男です。その男なら、私を探し出すまでは決してあきらめないことを、母は知っていたのです」
母が瀕死の病に伏すと、母はかつてヘレナに求愛して拒まれた男に、ヘレナを連れ戻すよう遣わしました。男はヘレナが隠れていたアルバニアの森を探し当てましたが、ヘレナが同行を拒むと激高し、彼女を刺し殺してしまいます[2:3]。
「その男は、私が隠れていた森を探し当てました。私が一緒に帰ることを拒むと、その人は暴力を振るいました。あの男爵は、カッとなりやすい性質でしたから、私に断られて激怒し、私が自由でいることを嫉妬して、私を刺したのです」
ヘレナを殺めたこの男が、のちにホグワーツで「血みどろ男爵」と呼ばれるようになるゴーストです。自分のしてしまったことに気づいた男爵は後悔に打ちひしがれ、ヘレナを刺した凶器で自らの命を絶ちました。以来、男爵は悔悟の証として鎖を身につけています[2:4]。
ヘレナが隠れていたのは、母の手が届かないだろうと考えたアルバニアの森でした。髪飾りは、男爵が自分を探す物音を森の中で聞いたときに隠した場所――虚になった木の中――に、そのまま残されました[2:5]。
ゴーストとなって
ヘレナは死後、ホグワーツ城に戻ってレイブンクロー寮のゴーストとなりました。学校の他の生徒には話さないとされますが、レイブンクロー生とだけは話し、道に迷ったときや物をなくしたときに役立つ存在として知られています[3]。J.K.ローリングが最初に書き留めたホグワーツのゴースト一覧では、「灰色のレディ」は当初「ひそひそレディ(the Whispering Lady)」という名でした[1:1]。
トム・リドルへの告白、そしてハリーへ
ヘレナはこの経緯を、かつて別の生徒にも語ったことがありました。トム・リドルです。ハリーは、自らには所有権のない伝説の品物をほしがるヘレナの気持ちを、リドルならたしかに理解しただろうと考えます。ヴォルデモートはこうして「灰色のレディ」から髪飾りの隠し場所を聞き出し、その森まで旅をして髪飾りを回収したと、ハリーは推理しました。おそらくホグワーツを卒業してすぐ、ボージン・アンド・バークスで働きはじめるより前のことです[2:6]。
1998年のホグワーツの戦いの最中、ハリーは同じ問いを、今度はヘレナ自身に向けて尋ねました。ヘレナは長らく誰にも語らなかった真相をハリーに打ち明け、髪飾りがアルバニアの森に隠されたままであることを伝えます[2:7]。
性格・人物像
「灰色のレディ」は、寮のゴーストの中でもっとも無口とされます。他の寮の生徒はヘレナが話さないと思っていますが、実際にはレイブンクロー生とだけは言葉を交わし、道に迷ったときや物をなくしたときに力を貸してくれる存在です[3:1]。
ホグワーツの 4 つの寮にはそれぞれゴーストがいて、スリザリンには、銀色の血でべっとり汚れた「血みどろ男爵」が取り憑いています。寮のゴーストの中で一番口数が少ないのは、髪が長く美しい姿をした「灰色のレディ」です。
人間関係
ロウェナ・レイブンクロー
母への対抗心が、ヘレナの生涯を決定づけました。母よりも賢く、母よりも重要な人物になりたいという望みから母の髪飾りを盗んで出奔し、その裏切りが結果として自らの死を招きます。母は瀕死の床にあってもなおヘレナにもう一度会うことを望みましたが、二人が再会することはありませんでした[2:8]。
血みどろ男爵
ヘレナに求愛して拒まれた男は、母の依頼でヘレナを連れ戻そうとした末に、彼女を刺し殺しました。男爵は自らの行為を悔い、同じ凶器で命を絶っています。以来、両者はそれぞれレイブンクロー寮とスリザリン寮のゴーストとなり、男爵は今も悔悟の証に鎖を身につけています[2:9]。
ハリー・ポッター
1998年のホグワーツの戦いのさなか、ハリーは分霊箱と化した髪飾りの手がかりを求めてヘレナを追い、初めて彼女の生前の物語と真の名を聞き出しました[2:10]。
登場・言及箇所
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
- 第31章「ホグワーツの戦い」
- ポッターモア
- 「ホグワーツのゴースト」
- レイブンクロー寮の歓迎メッセージ